[ライトノベル] [長谷敏司] 円環少女 7 夢のように、夜明けのように

スニーカーに連載されていたものに加筆修正を加えた短編集。全部で四つの短編と書き下ろしのインタールード、設定資料集を収録。

これはすばらしい。
一編目を読み終わったときにはこれまでのようなビターな短編だったけど、残りの三つはギャグの嵐だった。
それぞれの短編に魔導師が一人ずつ登場してボケたおして、仁が散々に振り回される構成。しかもビックリドッキリメカをもじってか、登場する魔導師に対して仁が「今回のびっくりドッキリ魔法人間」呼ばわりするのが吹いた。
「つながれる愛のしるし」では愛の魔法でヤンデレ化したメイゼルときずなとその他一名が仁を相手に刃傷沙汰を起こしかけて、
「薔薇はうつくしく散る」では小学校に忍び込んで住み着いた変態魔導師が序列を求めて生徒会長選挙に裏から手を回して、
「ハダカのこころで」では寒川家に居ついた全裸のセラ・バラードが家庭訪問に来た仁と一悶着を起こす。セラの言葉はそれなりに理が通ってるんだけど、常に全裸で他人にもそれを要求するから変なことになる。特にこの短編は状況がカオスになったまま全てを投げっぱなしにして終わらせたすばらしい作品。


抱腹絶倒モノの短編だけど、その原因は魔導師の性根が変態なことと、彼らが現代世界の常識にあわせられないことで、前者はともかく後者はこの作品のテーマの一つで、ギャグ話にそういったことを散りばめてくるあたりが侮れない。
あと、次の巻への引きもあって、仁がどうしようもなく戦いに巻き込まれる立ち位置にいるってことが明確になった。作中でも記述があったけど、何の後ろ盾も無い状況でどれだけ頑張れるんだろうか。

photo
円環少女 7 (7) (角川スニーカー文庫 153-9)
長谷 敏司
角川書店 2008-03-01

by G-Tools , 2008/03/02




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